皆様、新年明けましておめでとうござます。
昨日からに引き続き、怒涛の半年を振り返りたいと思います。
3)予防接種
予防接種は当初から看護師が中心になり一生懸命取り組んでくれました。LINEを使った予約の仕組みの確立、予約の管理や、ワクチンの在庫管理、次の接種のスケジューリングなども基本的には全て看護師まかせです。また、最近は当日に体調の都合などで接種を見合わせた方の次回の予診表の再発行をその日のうちに診療所側から役場へ行えるように現在仕組みの構築中です。特に生後1-2年は多くの定期接種がありますので、再発行の依頼を忘れて定期接種の時期を逸してしまわないようにという配慮からはじまった試みです。
また今年はインフルエンザワクチンの需要を大きかったため、初回接種の予約のみならず、2回目接種の予約、在庫入荷を待ってからの順番待ちリストの作成など、出来るだけ多くの方にワクチンを接種してもらいながら、出来るだけ不公平にならないようにと、こちらは事務職員も含めてスタッフ全体で取り組んでくれました。人口6000人の龍郷町で延960件以上の予約を受け、年末年始も接種を継続しています。
予防接種も特に夕方や土日のニーズが高く、そのほかの診療ニーズの高い時間と一致するため、積極的に予防接種に取り組めば取り組むほど、その時間のスタッフの作業量は増えるばかりなのですが、それも厭わずに『少しでも定期接種をきちんと受けてくれる人を増やしたい』『一人でも多くの人にインフルエンザ予防接種を受けてほしい』というスタッフ全体の熱い気持ちで予防接種に取り組んでくれています。そのスタッフの熱量溢れる姿をみて私はとても心強く嬉しい気持ちになりました。スタッフのみんな、本当にありがとう。

4)高次医療機関との関係
当診療所は高度な医療機器はほとんどありません。当院でできる検査はレントゲン、超音波、心電図、顕微鏡検査のみです。採血は全て外部の検査センターに委託し、CT、MRIや内視鏡などはありません。これらの高度な医療機器が手元にあることで、問診や身体診察が疎かになり、検査に頼ってしまいがちになるからです。そのことで、患者さんの心体的、経済的負担が大きくなってしまうことを避けるため、本当に必要な検査なのかをよく吟味してから行う環境に自分の身を置くこととして日々の診療にあたっております。また、高次医療機関にご紹介とするときも、当診療所で評価可能なところまでは極力評価し、なぜ高次医療機関に御紹介するに至ったのかその理由が高次医療機関で診察していただく先生にきちんと伝わるような紹介状を書くように心がけています。県立大島病院のみでなく、名瀬徳洲会病院、奄美中央病院などの医療機関の先生方も快く患者さんの受け入れを承諾してくださり、その大きなサポートのもとで日々の診療をさせて頂いているということを痛感する毎日です。本当にありがとうございます。
5)スタッフの成長
7月1日オープン初日は大雨の中の開院となりました。初日の来院者数は9名。当初は1日で20名くらいの方がくると皆ぐったりとしていました。しかし、徐々に日常業務に慣れてくると、自分の職種の業務のみでなく、資格がなくても補あえる部分はお互いが助け合い補い合い仕事を率先して見つけては少しでも診察の待ち時間が短くなるようにと全員が工夫してくれました。少しお休みが必要なスタッフもいたりと決して潤沢なスタッフではないこの状況がさらにスタッフ間の結束を高めてくれたように思います。そして、いつか8時間の間に75名もの方が来院されても大きな混乱なく診療を行うことができるよになりました。しかし、どうしてもこのような日は長くお待たせしてしまう人が出てしまうため、今後もより円滑な診療を心がけてまいります。
本当にこの半年間のスタッフの成長は目を見張るものがあり、これからどのように成長していくのかとても楽しみにでなりません。何より、自分が利用者だったらこうあって欲しいという目線で一人一人が取り組んでくれているところが何より嬉しいです。みんなの診療所はまだまだたくさん成長できる可能性があるということを大いに感じさせてくれるスタッフに心から感謝したいと思います。
6)家族の協力
以前、ブログにも書きましたが、この働き方になってから、妻には診療所のことも家庭のことも今まで以上に助けてもらうことが増えましたし、子供達には寂しい思いをさせています。それでも、奄美の医療のためには必要だと信じるものを自分たちの手で作り出していくことの大切さは無視できないですし、それを家庭を理由に諦めたくはありませんでした。また、これから進学し様々な壁にぶち当たるだろう子供達に全力で目標に向かって進んでいく姿を親として見せたいという気持ちもありました。それを家族が理解してくれていると信じ、例え共に過ごす時間は短くても感謝の気持ちを忘れずに日々を送っていきたいと思います。私が働く意欲をもらっているのは間違いなく妻であり子供達なのですから。

7)地域の皆様へ、そして2021年の抱負
長々と2020年を振り返ってきました。最後まで目を通してくだっさった方々ありがとうございました。みんなの診療所は開所して半年、目前の方のニーズに応えることにガムシャラに走り抜けてきました。まだまだご希望にお応えできない部分もたくさんありますし、私たちの至らなさのために診療所での経験が不本意なものとなってしまった方もおられるのではないかと思います。
小さな診療所ですので、できることと、できないことがありますし、なんでも手を広げすぎることによって本来の私たちの姿を見失ってしまうことになってはいけませんが、地域に密着した医療機関としてより皆さんに身近に、より皆さんに親しみをみって可愛がっていただけるような存在となるように私をはじめスタッフ一同より一層の成長を目指して日々の診療に取り組んでいきたいと思います。
2021年は
訪問診療の質の向上
スタッフ増員(ハローワークに求人掲載中)
簡易予約システムの稼働(現在準備中)
などを当面の目標とし
新たに現れたニーズには柔軟に対応し、出来るだけ少しでもお応えできるように努力します。
そして更なる成長を目指して取り組んでいきます。
今後とも『みんなの診療所』が地域の皆さんとともに在る診療所となるよう、皆様の暖かいご声援をいだけましたら幸いです。2021年もよろしくお願い申し上げます。
2021年 元日 みんなの診療所 所長 原 純