皆様、まだまだ奄美大島は新型コロナウイルスの陽性者が多い状態が続いています。しかし、当院が新型コロナウイルス抗原定性検査検査を始めた1月7日から今日までを振り返ると少し大まかな流れを見てとることができるような気がします。この10日間地域の皆様にも大変なご不便をおかけしつつ、感染症対応と日常診療のバランスをとりながら日々を過ごしてまいりました。ご不便をおかけした分、皆様にもこの10日間の経過をご報告させていただくべきと考え、ブログでご紹介させていただきたいと思います。
まずは、感染症対応をさせて頂いた方に対する、新型コロナウイルスの抗原定性検査実施数、その陽性数、陰性数をあらわしたグラフです。1月7日は感染症対応した方が1日60件近くに及びました。ですが、1月16日は20件前後と、感染症対応を必要とする方の数は徐々に減少傾向で約1/3程度に減ってきております。これは奄美市や鹿児島県が発表している新型コロナウイルス新規陽性者数の推移と概ね一致する傾向かと思います。検査を行った件数も1月7日が34件と最も多く、日毎の多少の差はあるものの徐々に減少傾向で15,16日は10件に満たない程度でした。

次に、各日ごとの検査の陽性率です。7日は不安が強い方が多く軽い症状でも多くの方が検査を希望され、検査を実施しましたが、日を追うごとに検査を希望される方の数が減ってきました。すると陽性に出る割合は逆に高まってきています。すでに、軽い症状の方の検査が一通り終了し、無症状の不安な方は文化センターの無料PCR検査に赴き、無症状の濃厚接触者など保健所主導で行われる検査は当院では行っていません。そのため、ここ数日はみんなの診療所へは新たに発熱などの症状がある方、濃厚接触者のうち保健所の検査を受ける前に症状が出現した方などが多くを占めるようになったため陽性率が上がってきたものと考えております。

これをご覧になってわかるように感染症対応が必要な方や検査の必要な方のピークは過ぎつつあり、これは奄美市や鹿児島県の発表とも概ね一致する流れであり、徐々に状況は好転に向かいつつあると感じています。しかし、正月直後には若い方を中心に陽性者が出ましたが、自宅療養となる中で、家庭内でも感染が広がり、徐々に感染が高齢者に広がっている動きもあります。それこそまさに、私たち医療従事者が危惧していたことでもあります。若年者では軽症で済んでも、ご高齢の方が発症すれば重症化する可能性は高くなります。また、入院を要する方も増え、入院先医療機関の新型コロナウイルス感染症以外の診療能力にも影響を及ぼす可能性もあります。まだまだ奄美大島全体で力を合わせて対応を続けていく必要がある段階であることは間違いありません。そして、来週からは学校も開始となります。高齢者への感染拡大や、学校が始まっての感染者数の再増加などには注意が必要と考えております。
そのため、みんなの診療所ではこれからも引き続き、現在の感染症対応をしばらく継続していく方針です。小児の受診の多いみんなの診療所ですので、風邪症状の小児を診療所に招き入れても、待合室で高齢者への新型コロナウイルス感染拡大が起こりにくいと体感できる状態になったら、昨年末までの診療体制に戻し、新型コロナウイルス抗原定性検査の実施も終了としようと思います。
それまではまだまだご利用の皆様にもご不便をおかけしますが、徐々に長時間お待たせする状況からは脱しつつあるため、発熱や感染症を疑う症状以外の体調不良の方もあまり過剰に心配することなく、今まで通り必要ならきちんと診療所を受診していただきたいと思います。また、それでも受診に不安のある方は定期薬の処方については電話再診という方法で、お電話でお変わりがないことを確認できれば処方することも可能ですので、電話再診をご希望の方はどうぞお気軽に診療所へお問いわせください。また、この状況や電話再診の仕組みについてブログやSNSで知ることのできない、ご高齢の方などにもどうかお声掛けいただければと思います。やはりいつもに比べると、定期受診にいらっしゃる方が少ないように感じており、内服薬が切れておられる方がいるのではないかと心配しています。このブログをお読みになった方でお心当たりのある方はどうか周囲の方にもお声掛け頂けましたら幸いです。
まだまだ奄美大島の状況は楽観視できる状況ではありませんが、島全体で一丸となって取り組んでいけば、必ず状況は改善してきます。感染症もいつもの医療も同じように大切です。そのバランスを保ちつつ、明日からも皆様のお役に少しでも立てるよう診療に努めてまいります。引き続き皆様のサポートよろしくお願いいたします。