休診日の今日は、ブログ更新です。
診療所の全受診者に対する感染対応の割合が経時的に徐々に低下している傾向は変わりません。また、診療所で診断する新型コロナウイルス感染者数も徐々に減少傾向です。先週と比較し変化が現れたのは徐々に感染対応が減少する中で、新型コロナウイルス感染を疑い抗原検査を行う方の数自体が減少傾向です。そのため相対的に陽性率はそれ以前と比較してやや高めですが、陽性者数自体は徐々に減少している傾向に変わりはありません。大きな流れとして徐々に診療全体に対する新型コロナウイルス感染症に関連する医療の割合が低下している状態と考えています。この傾向がこのまま継続するのか否か引き続き経過を見ていきたいと思います。



また、これは医療者である私たちこそ考えなければならないことなのかもしれませんが、1月7日、診療所で抗原検査を開始してから2月16日まで全体の抗原検査陽性件数に対する陰性件数、感染対応件数、全受診者数を比較しました。すると陽性件数は96件、検査件数は435件、感染対応件数1042件、総受診者数2077人で、それぞれに対する陽性率は22.1%、9.2%、4.6%でした。病歴や症状から新型コロナウイルス感染を疑って検査を行ない実際に診断される方が22%、全感染症診療に占める割合は9.2%でそのほかは、RSウイルス感染症、手足口病、急性胃腸炎、その他の上気道炎、溶連菌感染症、細菌性肺炎、腎盂腎炎などです。診療所で、風邪症状や発熱、嘔吐下痢などの症状のある方は全て防護服を着用の上で車内で診察をするということをこの6週間継続してきていますが、実際に新型コロナウイルス感染症の占める方の割合は診療所では9%くらいということです。そのような中で多くの他の方にもご不便をおかけして車内で診察をさせていただいているのだと思うと皆様のご理解、ご協力には本当に感謝いたします。また、接触感染対策や飛沫感染対策のため通常行っている口腔内の観察や胸部の聴診なども極力控えさせていただいていることにご理解をいただいていることにも合わせてお礼を申し上げます。もう少し、日常的に新規感染者が発生する状況から抜け出したら、少しずつ元の診療体制へと戻していきたいと考えていますが、もうしばらく様子を伺う必要がありそうです。引き続きの皆様のご協力のほどよろしくお願い申し上げます

そして、全受診者と比較すると新型コロナウイルス感染症と診断された方の割合は4.6%です。残りの95.4%の方はいつもの定期受診、健康診断、予防接種、怪我や事故、その他の体調不良、そして新型コロナウイルス感染症以外の感染症ということになります。この4.6%がみんなの診療所の診療体制を大きく左右しているということになります。それは重症化する人が一定数いるということと並行して、10日間の療養期間や濃厚接触者としての7日間の自宅待機が皆さんの生活に大きな制約を加えることになるからです。もちろん、診療所スタッフから感染者や濃厚接触者が出た場合などを考えても皆様にしばらく医療が提供できなくなるため、極力それは避けなければなりません。このような医療への負荷のみならず、皆様の日常生活への負荷が発生するという2つの側面があるため、受診者全体の4.6%である新型コロナ感染症に対して、診療体制の工夫や変更、強化などを行い、地域の皆様にもご不便をおかけしながらもご理解ご協力を頂かなければならない状況が続いています。
私たちは残りの95.4%の方に対して『今の時期だから仕方ない、我慢してほしい』とは決して思っていません。
いつも通りの医療が提供できない状況であることを本当に申し訳なく思っていますし、歯がゆい気持ちでいっぱいです。ですが、開き直って今まで通りの方法で診療を行えば私たちスタッフが新型コロナウイルスに感染するリスクは高まり、待合室で受診者の方同士で新型コロナウイルス感染が発生するリスクも高まります。もちろん、今も、毎日発熱外来を行ってる当院でゼロリスクはありえませんが、少しでも皆さんに安全な環境を提供したいと思い、今の診療体制を継続しています。
奄美全体の医療のバランスとして今はこうすることが、新型コロナウイルス感染症の診療に関わりながら、その他の方達にも医療を提供することを両立することを目指すとき最も折り合いのつく着地点であると考えています。限られた奄美の医療資源、限られたみんなの診療所の医療資源をみんなで仲良く使ってもらうために今しばらく皆様のご協力を頂けましたら幸いです。