1)発熱外来中止のお詫び
みんなの診療所をご利用の皆様、8月14日は朝7時50分に原が診療開始1時間前に出勤すると既に2台の車が駐車場入り口の案内板前に止まっており、近隣の交通へのご迷惑になるため移動をお願いしました。その後も8時30分頃までに約10台の車に同様のご案内をさせていただきました。そう致しましたところ、今度は周辺の公道や市有地に路上駐車をして待つかたが現れました。そしてついに8時45分頃には国道に列ができ始めたため、これ以上近隣住民の方や道路をご利用の方々にご迷惑はかけられないと判断し、感染対応、発熱外来中止の判断をさせていただきました。
再度、駐車場入り口の案内板の文章をここで共有させて頂きたいと思います。
<みんなの診療所の受診を検討されている皆様へ>
みんなの診療所は土日祝日に通常診療を行なっている数少ない医療機関です。感染対応も行なっておりますが、定期受診、定期予防接種、健康診断、コロナワクチンなどにいらっしゃる方もおられます。限りある医療資源ですので、奄美大島に関わるすべての方に、仲良く分け合ってその医療資源を利用していただきたいと思っています。そのため、みんなの診療所では予約制を採用しておりません。それは決して『早い者勝ち』という意味ではありません。限りある医療資源をどのように分け合い、どのように利用するのか。それを決めるのは私たち医療者ではなく、奄美に関わる皆様一人一人だと私は考えます。皆で助け合い、分け合い、仲良く利用してほしいと考えています。急な発熱や咳。新型コロナウイルス感染かもしれないと思うととても不安な事だと思います。その上で抗原検査をご検討されている方にご案内です。もちろん、検査はせず診察や処方のみを行うことも可能です。
1)当院の受付開始時間/診療開始時間は9時です。職員の出勤時間は8時30分です。そこから診療開始の準備を始めます。あまり早いご来院はお控えください。
2)抗原検査キットが底をつき始めています。一人の方に2回検査をする事はできない状況です。
3)抗原検査は発症から24時間程度経過していないと十分有効な検査ができません。
4)鼻を隠して嫌がるお子さんへの無理な検査は行なっておりません。保護者の方から検査については事前に十分ご説明ください。
以上をご理解いただいた上で、受診や検査についてご検討ください。
今は医療に対する需要に対して、供給が不足している状態で、特に日曜日においては、すべての人が十分な医療が受けることができない状況です。その医療資源をみんなで分け合って利用していかなければなりません。今は、その旗振りをする役目をする人が奄美大島にはいないことが最大の課題だと思っています。それをどうするべきかは一朝一夕には答えは出ないことですが、奄美大島に関わるすべての人がそれを自分のこととして認識しない限り、理想の未来はやってきません。きっと、誰かがなんとかしてくれる。地域の皆様がそう思っている間は今後も同じような出来事が起こった時、同じことを繰り返すことになるのではないかと感じています。
私たちも本当は一人でも多くの方に医療をお届けし、困っている人がいれば少しでも何かさせていただきたいと日頃から感じておりますが、本日はそれにお応えすることができず本当に申し訳ありませんでした。今後、このような対応を取らずに済むよう皆様のご理解ご協力をよろしくお願い申し上げます。
発熱外来/感染対応は中止と致しましたが、それ以外の方の受診で約30名の方が受診されました。『普段、発熱外来が忙しそうなので受診できずにいた。今日を逃したらまたしばらく受診しにくいと思った』と、お話されている方が何人もおられました。それはそれぞれに診療枠を設けて、予約制にしてしまえば簡単に解消できます。私も座ってお昼ご飯が食べられるかもしれませんし、行きたい時にトイレに行けるかもしれません。しかし、そうすることは真の医療ニーズを見えなくしてしまう行為であると私は考えています。どこへ電話しても対応してもらえない方は泣き寝入りするしかないからです。私はそれは違うと思っています。もし奄美大島の医療資源の限界として本当にこれ以上一人の患者さんも診察できないのなら、それを誰かが責任を持って発信すべきだと考えます。特に今のコロナ対応については。でも、今はどの医療機関がどれくらい余力があるかもしっかり把握できていない状態です。予約制にして電話の段階でお断りして行き場のない方たちを見えないままにしていては、この状況はいつまでも改善されないと感じているため、みんなの診療所では予約制ではなく受付順としています。そうすることで、需要と供給の不釣り合いは目に見える形となります。これを解決する仕組みを島全体で構築していかなければ、コロナ禍が終わった後、また新しい医療に関する脅威が発生した時、同じことを繰り返すことになります。

2)旧盆と過去連休の受診動向の比較
今年のゴールデンウィーク、7月3連休、旧盆期間での受診状況の比較です。今年のゴールデンウィーク期間と比較し受診者数は27%増加、感染対応は58%増加しております。そしてなんと抗原検査件数においては111%増加とゴールデンウィーク時の時と比較し2倍以上となり、陽性者数については212%増と3倍以上となっております。検査件数や陽性件数が増えると1名の対応に時間がかかることになります。受診者数の増加がそれほど増加していないのはこれが診療時間内に対応できる診療人数の限界に近いからだと感じています。感染対応が増加している分はそれ以外の定期受診やその他の症状で受診に来られる方が受診控えをしていることを示していると感じます。そのため、定期受診については電話再診という方法で対応し、診療時間終了後に対応しています。

8月に入り1日120名受診となる日が2回あるなど、この8月の医療の状況は診療所開始依頼最も厳しい状況となっています。その現状も含めて、地域の皆様と共有しながら、診療所にできることは今後も全力で行ってききます。地域の皆様も自分達の今の状況がどのような状況かは知るということがまずは大切だと思いますので、このようにブログやSNSで発信を続けています。
まずは知っていただかないことには、医療との向き合い方やこれからの奄美大島の医療の進むべき方向性は見えてきません。限られた医療資源の中で我々はどのような奄美大島の医療の未来を描くのか?それは私たち医療従事者や自治体運営に関わる方達にとって大切はことであることはもちろんですが、奄美に関わる人たち一人一人がどのように考えるかということはそれ以上に大切なことだと思っています。
そのための材料を少しでも『みんなの診療所』を通して皆様に感じていただけたら幸いです。
今日の急遽の発熱外来/感染対応中止については皆様に大変ご不便をおかけし申し訳ございませんでした。重ねてお詫び申し上げます。限りある医療資源。みんなで仲良く、ルールを守って利用して頂けましたら幸いです。それが『みんなの診療所』の願いです。