診療所をご利用の皆様、あけましておめでとうございます。2025年が始まりました。今年も地域の皆様のサポートをいただきながら少しでも自分の思い描いている医療に近づくよう一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。まずは2024年を振り返りつ、2025年の診療所の変化についてお話しし、最後に、2025年に挑戦していきたいことについてもお話できればと思います。
1)2024年の総括
2024年は1月から平日の診療時間を3時間短縮しました。その後の1年間の変化については昨年末ブログでご紹介いたしましたが、12月のインフルエンザシーズンも含めて改めてお示しいたします。
2023年、診療時間短縮を決断した年、月間の保険診療(健康診断や予防接種などの自由診療での受診を除く)受診患者数は1540人でした。この中には急患で当日の高次医療機関へのご紹介が必要な方、縫合が必要な外傷の方、固定が必要な骨折の方なども含みます。そのような急なご紹介や処置が必要な方、じっくりと問診、身体診察が必要な方などへの対応が困難な状況が発生したり、感染症シーズンにはお待たせする時間が2時間以上となる日が連日続いたりしました。その結果、診療時間を短縮しマンパワーを集約する方針としました。
2024年は結果として月間保険診療受診患者数は平均1603人となり昨年の1540人からさらに増加する結果となりました。また、定期予防接種も2023年と比較し増加傾向です。診療時間は短縮され、受診される方は増加したため原がお一人お一人に対応できる時間はさらに短くなりました。

地域の医療資源が全体として縮小していく中で、少しでも地域の皆様のお役に立ちたいと考えている原としてはとても職業冥利につ尽きる変化です。診療所を頼りにして受診してくださる皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。ですが、診療所の診療能力としてはギリギリのところでもあり、さらなる工夫が必要な状況です。
その点についても昨年末ブログでご案内させていただきましたが、こちらについては後ほど改めてご紹介いたいます。
2)地域研修の受け入れ
今年も県立大島病院、りんくう総合医療センターから計5名の先生が地域研修に来てくれました。皆、地域医療に真摯に向き合ってくれて、受け入れさせていただいた私自身が刺激を受けました。こうして、少しでも奄美に、そして奄美の医療に触れてくれる若手医師が増えてくれることが、これからも奄美の医療を明るくしてくれるはずと信じています。これからもできる限り地域研修を受け入れていきたいと考えています。

3)地域総合診療専門医/指導医取得、地域総合診療専門研修プログラム認定
いつか『奄美専門医』であると言えるようになりたいと思って診療を続けてきた私として、『地域医療の専門医』という肩書きを得ることができたことはとても大きな出来事でした。まだまだ新しい小さな学会ですが、それでも私にとっては大きな一歩でした。来年以降は学会にも積極的に参加して奄美の地域医療の発展につなげていけたらと思っています。
4)地域医療シンポジウム登壇
2024年12月8日、大学、県病院、保健所、徳洲会、開業医が一堂に会し、奄美の医療を考えるためのシンポジウムが開催されシンポジストとして登壇させていただきました。決して潤沢ではない医療資源を有効活用できるように、組織の壁を超えて有意義な議論ができたのではないかと思います。今後とも、このような機会があれば積極的に参加し、地域の皆様と共に地域医療を考えていく場を持ち続けたいと考えています。
5)2025年の診療所について
2025年は2024年の診療状況を踏まえて診療体制をさらに変化させることにしました。以下に、簡潔にお示しします。具体的な変化については今月中に改めてご案内いたしますが、まずは昨年末ブログの記事をご参照ください。
1)2025年2月から発熱外来受付時間の制限、土日祝日の予防接種時間変更、健康診断の予約制への移行を行います
2)2025年4月から毎月第2、第4日曜日を休診といたします
3)年末年始、ゴールデンウィークなどの大型連休は2日間休診といたします
6)2025年の挑戦
2025年は日曜日の休診や、診療体制の変更を行うことにより若干、私に余力が生まれる予定です。その分、今年は学会発表や学会参加にも力を入れて、奄美の地域医療をそして、奄美自体の魅力を島外に伝える活動を強化していきたいと考えています。
また、今年は総合診療専門医プログラムの研修として専攻医である小徳先生が診療所の仲間として1年間加わってくれます。また家庭医療専門医プログラムの一環として名瀬徳洲会病院の名嘉先生も月に2回程度外来研修に来てくださる予定です。このように原以外の医師がみんなの診療所で活躍してくれる未来を原は描いています。その実現に向けて、できることはなんでも挑戦していきたいと考えています。
2025年も地域の皆様のサポートをいただきながら日々の診療に向き合っていきたいと思います。皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。
