診療所をご利用の方に再度のご案内です。
みんなの診療所は2025年4月から、第2、第4日曜日を休診と致します。
その決断に至った経緯については2024年12月の段階でブログでもご連絡させていただきました。こちらもご参照ください。
2023年に1日平日で最大133名、土日祝日で124名という受診者数となったため、マンパワーを集約化するため2024年からは平日の診療時間を短縮することと致しました。その後結果としては受診者数はやや増加したという結果となり、以前と同様の診療時間で診療継続していた場合は診療能力の限界を超えていた可能性が高かったと思われました。
そして、土日祝日や大型連休の際の受診者数については、時間の経過とともに増加が続いております。診療所の役割としてはとても光栄なことなのですが、地域全体として考えた診療の継続性という観点からは地域全体で支える仕組みが必要だと考えております。
みんなの診療所の土日祝日や年末年始診療はそのニーズを知るための実験的な試みであったとも言えます。この5年弱の期間でそのニーズは確かにあると感じることができました。そのため、今後は、土日祝日や年末年始や大型連休時期の診療体制をどのように地域として構築していくかということを模索する時期に突入したと感じています。
2024年夏頃から、様々な医療機関や組織とその点について検討してまいりましたが、すぐに地域全体として何かわかりやすい形として皆様にご案内できるものを構築することはできませんでした。ですが、少なくともどの医療機関や組織も自分たちのできる最大限はすでに行なっている状況であることも改めて理解することができました。
診療所としては職員の疲弊を防ぎ、原のライフワークバランスを保ちつつ、持続可能な診療体制への工夫が必要でした。その上で、診療以外の学校医や園医、産業医、施設嘱託医などの役割も果たしたいと考えています。それでいて地域の皆様へできるだけご不便をおかけしない方法として、そして、診療所経営が急に不安定にならない範囲の決断として、月2回の日曜日休診、年末年始/大型連休の2日間の休診を決断しました。ですが、診療所が休診の日に受診が必要になった急患の方が受診できる医療機関をお示しできるようにしたいとの思いがありました。
私の前職である県立大島病院は奄美群島の医療の最後の砦であり、もちろん、必要があればいつでも受診して良いといつも快くご回答いただいています。ですが病院の性質上、受診には選定療養費として通常の保険診療による費用とは別に、保険が適応されない費用として追加の費用が発生します。そのような負担増による受診控えも同時に防ぎたいという思いもあり、2024年12月名瀬徳洲会病院の満元院長に、診療所の現状とこれまでの経緯を説明し、4月以降の診療所休診の日について、急患については受診を受け入れてくださる方針となりました。また、その点について、こうして診療所のブログや、SNSや院内掲示などでも周知して良いと了承を得ましたため、この度、まずはブログでご案内させていただくこととしました。
普通に考えると、個人診療所が自分たちの都合で診療時間や診療日数を減らすことのサポートを地域の大病院が引き受けてくださることなどまずあり得ないことだと感じています。ですが、満元先生はすぐに私のお願いを受け入れて下さいました。以下に、その際に実際に作成したお願いの文章を一部引用させて頂きます。
2025年4月からの第2、4日曜日などの休診のご案内及び診療協力のお願い
平素より患者さんのご紹介に対して迅速にご対応いただき誠にありがとうございます。
当診療所では開所より、土日、祝日、年末年始、大型連休なども平常診療を継続して参りました。開所から4年半が経過し、地域の皆様、関係医療機関の皆様の多大なるサポートにより受診いただく患者さんも徐々に増加し、その想いに今後も応えていかなければならないとさらに気を引き締める日々です。
その中で、限られた診療スタッフ、医師一人体制の診療能力の限界とも日々向き合う状態でした。2024年1月からは診療スタッフの集約化のため診療時間を短縮いたしました。平日3時間の診療時間短縮後も月間受診患者数は微増。また、小児科医院閉院に伴う定期予防接種の増加、診療以外に担当させていただいている園医や校医、施設嘱託医、産業医活動の増加も重なりました。2024年も診療所で『やりたいこと』と『できること』の間で取捨選択を迫られる状況でした。その中で、特に休日診療については地域全体で支える仕組みの構築が必要だと考え、~ 中略 ~
その結果を踏まえて、診療所スタッフとも熟慮を重ねた結果、当診療所の安定的な診療の継続性という観点から、苦渋の決断でしたが、2025年4月から第2、4日曜日を休診とすることとました。その他の診療日への人的資源の再配置、直接診療と関わらない業務時間の確保を目的とした決断です。合わせて私の体調管理上の観点から、年末年始、ゴールデンウィーク期間中も2日の休診を設けることとしました。
ですが、今まで診療所の日曜診療を頼りにして受診してくださった、急患の患者さんに不安を与えることは出来るだけ避けたいと考えました。そこで、当院の休診日で受診先に困っている患者さんの受診先として第一に貴院の受診をおすすめさせて頂くことのご許可を頂ければと考え、この度、お願いに伺った次第です。一開業医の私が、地域の中核病院である貴院にこのようなお願いに上がることは大変失礼なお願いであることは重々承知しておりますが、ご検討いただけましたら幸いです。
施設の壁を越えて、地域全体で医療を支えていくことの一歩として、これはとても大きな一歩だと感じました。この場をお借りして、満元院長に改めてお礼を申し上げます。また、その後相談に乗ってくださった、平島副院長や内科名嘉先生、満元先生へお繋ぎくださった総務課のTさんにもお礼を申し上げます。
日曜日を月に2日休診にする分というわけではないのですが、2025年度からは龍郷町の行う5歳児検診及び就学前検診についても新たにみんなの診療所で担当させていただくこととしました。また、引き続き、若手医師の研修受け入れなども積極的に行なっていきたいと考えております。
どうか、地域の皆様にはご理解を頂けましたら幸いです。