小徳が診療所に来てくれて早くも2ヶ月が経とうとしています。徐々に小徳も診療所のスタイルに慣れてきてくれて、診察もよりスムーズになってきました。ここ最近の診療所の様子を小徳に関わることを中心に皆様と共有したいと思います。
1)念願の職員勉強会が徐々にできるようになってきました
今まで最低限の勉強会などを除き、中々定期的に勉強会を開催することが難しかったのですが、前回は『月経困難症』、今月は『高血圧』についてスタッフ向け勉強会を開催することができました。来月は『抗菌薬』をテーマに勉強会を開催してくれることになっています。
こうして、徐々に診療以外のこと、スタッフ教育などにも小徳が関わってくれることは診療所としてとても有意義なことですし、スタッフのモチベーションの向上にもつながればと考えています。

2)保育所の健診にも行ってもらいました
診療所では日常の診療の他にも、学校や保育所の健診、乳幼児健診などもさせていただいています。そのような任務も診療所の大切な役割だと考えており、今後は5歳児健診、就学前健診なども小徳に担当してもらう予定です。健診や予防に関わることも日常診療とともに診療所の大事な柱として小徳にも支えてもらえたら嬉しいです。

3)婦人科診察を求めて受診する方も徐々に増えてきました
島外からの転居後、婦人科宛の紹介状を持って受診される方などもみられるようになりました。小徳の存在自体が徐々に浸透してきている現れだなと実感する出来事です。ですが、現在のところ、小徳は火曜日、日曜日はお休みです。長い目で見たときは診療所として小徳がいない時もある程度婦人科診療に対応できるようになることが望ましいと考えています。そのためのノウハウを診療所自体が小徳から学ばなければならないことはもちろんですが、地域の中核医療機関との診療手順や診療の範囲についての合意形成は非常に大切なことであると考えています。これについては急がずゆっくりですが、確実に、今後も継続性が期待できるような仕組みづくりを小徳ともに行って行かねればならないと感じている次第です。
4)月に一回を目標に振り返りの時間を設けるようにしています
4月は小徳をはじめとした新入職員の歓迎会という形になりましたが、5月は小徳とゆっくりと診療時間外にこの2ヶ月間の振り返りを行いました。これからの診療所での日々がより充実したものになるように、研修としての満足度、診療所に追加で必要な物品や薬剤などについて、今後の研修の計画についてなど、診療に追われることなくじっくりと話すことのできる時間は大変貴重なものでした。できるだけ月1回ペースでこのような振り返りの時間をもち、小徳にとって少しでも実りのある日々になるように心がけていきたいと思います。それが診療所にとっても、そして、診療所をご利用の皆様にとっても良い結果につながるのではと考えていますl

5)学校などから、性教育に関する講演などの依頼を受けることが増えてきました
昨年度、小徳は高校を中心に性教育の講演を行なったようです。今年は、名瀬徳洲会病院の小田切先生が島を離れる事になった影響もあるかと思いますが、診療所や小徳宛に、小中学校からも性教育に関する講演の依頼、相談を受けることが増えてきました。この辺りは、今までの経緯が分からないところもあるので、場合よっては小田切先生から今までどのように対応していたかを伺わなければならない事もあるかもしれません。
小徳は、依頼を受けた内容、対象となる人の年齢などに合わせてその都度、話す内容を変えています。丁寧にその都度準備をしています。その労力は決して少なくものではありません。
また、場合よっては島外からの依頼も受けています。
もちろん、小徳の熱意としてはできるだけそれに応えたいという気持ちはあるのと思いますが、彼の時間とエネルギーも有限ですので、応えられる場合とそうでない場合があると思います。現在は学校から個別に相談を受けている状態なのですが、各市町村の教育委員会は全体として合計どれくらいの依頼を小徳が受けているのか把握しておられるのか、少し不安になる状況です。
また、基本的には診療所の業務の一環として、小徳を送り出してあげたいと考えています。ところが、場合によっては『無償で』という依頼も見られます。これはプライベートな時間を削って準備を行い、情熱を持ってこの講演に臨もうとしている小徳に対してはとても誠意のない対応と言わざるを得ません。診療所としても、行き帰りの移動中に事故に遭った場合などは勤務中の事故として労働災害扱いになる可能性が高いと考えていますし、診察を中断して講演を行う事になります。そのようなことを総合的に考えた場合には『無償』という選択は無いように思います。小徳の専門知識と情熱、診療所で小徳の診察を待っている患者さんの時間を割いて、この講演に当たっているのだということを依頼してくださる側は配慮して頂けましたら幸いです。
もし、可能なら日程調整なども、少なくとも各市町村の教育委員会単位で一括して調整していただけると、学校ごとに個別に日程調整するよりは事務処理的な効率化は図れるのではないかと思います。また、事前に時期や時間が重ならないように、市町村間でも情報共有をして頂けたら大変助かります。
今後、奄美大島内で小徳以外の医師が同様の案件を引き受ける場合も同様の配慮は必要と考えています。もし、学校関係者や教育委員会に関わる方がこのブログを見ておられたらぜひ、ご検討をお願いできましたら幸いです。奄美医療圏は全国的にも医師偏在が顕著な地域の一つです。限りある医療資源を適切にご利用いただくための配慮をぜひお願いできましたら幸いです。