初回で提案していただいた以下の3案の中から、私と制作者の両者の意向をすり合わせる作業が行われました。
私の意向
基本的にはC案をベースに考えたいとお伝えしました。
シンプルで直線的なデザインであり広がりを感じて力強い印象を受けたからです。
菱形の一つ一つが地域の人でそれが繋がりながら広がっていくイメージで制作されました。
制作者の意向
制作者のおすすめはA案でした
全体的に柔らかい表現で下から手で太陽を支えているイメージです
この手は地域の人が診療所に支えられているイメージとの事でした
このA案をお勧めしてくれた制作者に対して、私は当初診療所チームの一員として、つまり診療を提供する側として制作者もロゴマーク案を制作したのだろうと勝手に思い込んでいたので、診療を受ける側としての思いがロゴマークに反映されているということに新鮮な驚きがありました。そして、地域に診療所があるということが地域の支えになるという発想も私にはなかったので、その制作者の思いは是非残したいと感じました。その反面、診療を提供する側からこの『手』のモチーフを解釈すると、地域のみなさんに支えられて診療所が発展していくという思いもありました。
そこで、『手』のモチーフについては、もう少し手に見えやすいデザインに変更し残す方針として、片方の手は地域の人、もう片方の手は診療所を意味しており、お互いに手を取り合い協力し合いながら診療所を支え、発展させていくという意味を持たせました。ここは曲線を用いたデザインとして柔らかさや優しさを表現する意味もあります。
『太陽』のモチーフはC案のモチーフを基本に考えることとしました。『手』のモチーフとは対照的に直線的な力強いイメージを表現したかったからです。そして、常に未完成であり『太陽』全体の全貌は見えず、地域と診療所2つの手で昇りゆく太陽をさらに上へと押し上げるというイメージで、太陽は半分だけ見えていて、半分はまだこれから作り上げていくという意味を持たせています。
色はカラーユニバーサルデザインの観点からも、太陽のイメージからも、オレンジを採用しました。元気な奄美を目指す『みんなの診療所』にフィットする色だと思いました。
地域の人 と 医療提供者
制作者 と 依頼者
優しさ と 力強さ
曲線 と 直線
一見相反するように見えるものが、手を取り合い一つに合わさることで、まだ見えない太陽の全貌を目指して行こうという意思表示のロゴマークとなりました。

元気な人も体調の優れない人も
子供もお年寄りも
男性も女性も
地元の人も旅行者も
医療従事者もそうでない人も
みんなで奄美を元気にしていくための『多様性』と『繋がり』の中心として『みんなの診療所』はありたいと思う。その思いをまさに一つのロゴマークの中に凝縮することができました。AMSの木村さん素敵なロゴマークありがとうございます。
次回はロゴタイプについてです。