みんなの診療所をご利用の皆様、この3連休の診療が終わりました。印象が薄れてしまわないうちに速報としてこの3連休の状況を報告いたします。
この3連休、みんなの診療所は総受診者数230人、感染対応136人、抗原検査件数71件、陽性件数38件でした。これを今年のゴールデンウィーク時と比較してみると以下のようになります。1日あたりの総受診者数、感染対応数、抗原検査数、陽性件数全てが今年のゴールデンウィーク時と比較し約20〜40%程度増加していることがわかります。

ですが、スタッフの人数は変わりません。
医師は原一人です。
1日で診察できる人数には限界があります。
すると、一体どうなるかというと、こうなります。

7月18日朝は、原が本来の出勤時間より30分早い8時に出勤すると、すでに2台の車が停まっていました。他の職員は8時30分出勤であるため、9時に来た方を出来るだけ9時に近い時間に診察するためには原一人で診察を開始しなければならず、診察開始の準備もできないため、大変心苦しかったですが一度、駐車場から出ていただき、9時を目指して再度お越しいただくようにお願いしました。それでも8時20分までに合計8台の車が診療所に入って来られ、その方達に事情を説明するために私は診療所の駐車場からしばらく動くことができませんでした。致し方なく、車が敷地に入ってくることができないように上の写真のような対策を取らざるを得ませんでした。この状況が続くと、土日診療自体を中止しなければならない状況も考えなくてはいけません。
みんなの診療所は土日祝日は9時診察開始です。
そのほかの医療機関ではよくそのようなことがあるので私は不思議で仕方ないですが
みんなの診療所では診察開始時間と受付開始時間を分けていません。
それは、一番早く受付をした人でも必ずある程度の待ち時間が発生するということを前提としたシステムを理解できないからです。
9時に来た方がきちんと9時に診察を受けられるように皆様のご理解ご協力をお願いいたします。
ちなみに9時に受付をした人を診察した時刻は、7月16日は9時25分、17日は9時35分、18日は9時45分でした。
そして、みんなの診療所では予防接種以外は予約での診療をおこなっていません。それは急患を幅広く受け入れているからです、内臓が見えそうな程の外傷、ハブ咬傷、急性大動脈乖離、溺水、アナフィラキシーショックなど一刻を争う急患の方もいらっしゃいます。このような方がいらしたら1−2時間診療がストップすることもあります。また、緊急で他院に紹介となる場合も30分程度診療が中断することがあり、こちらは数日に1回は必ずあります。このような緊急性のある患者さんを多く受け入れているみんなの診療所ではそのような方に優先的に時間を使いたいため、予約での診療は行なっておりません。これは少なくとも医師一人体制の間は変わることはないと思いますので、その点はご理解をいただきますようよろしくお願い致します。
1日で診察できる人数にも限界があるため、限界を超えたら、途中で受付を中止しなければなりません。今回は7月17日は13時30分で、18日は14時で感染対応の受付を中止しましたが、診察終了は17時を越え、職員には時間外労働が発生しました。最も待ち時間が発生していた瞬間は下の写真のごとく3時間半待ちという状態でした。

朝早く診療所に来てくれた方に一度お帰りいただくのも、3時間も待っていただくのも、途中で受付を中止しなければならないのも、清掃に入る人手がなく感染対応の方にトイレのお貸出ができないことも、私としては本当に本当に心苦して、苦渋の選択です。ですが、この限りある時間と人員の中で出来るだけ多くの方を診察し、敷地内での患者さん同士の感染を予防し、もちろん職員が感染することも予防し、抜け道(診療開始前に来院する。代理人に受付を頼む。一度駐車場から出てまた戻ってくる)を用いた人が得をするようなことのないように診察するためには、やむを得ない状況です。もちろん、ご利用いただく方にもとてもご不便をかけていることは百も承知ですが、今、私たちが持てる人的、物的資源ではこの対応人数が限界です。実際に5月の時より20-40%診療業務は増えている訳です。それでも常に業務改善を重ねているからこそ、なんとか今の人数の対応ができています。
5月の連休の時も同じことを述べましたが、需要に対して供給は絶対的に不足しています。
皆さんが見て見ぬふりをすることもできますが現実はこの状況です。
事件は現場で起きてるんだ!(古っ!)
特にコロナ診療は一時的な特殊な状況で原は以前から災害だと考えています。通常診療でない災害の部分だけでも、より多くの施設で分担するシステムにしていただいた方が、みんなの診療所へ土日祝日に定期受診や予防接種でお越しいただく方への影響を少なくすることができます。
もちろん原はこれからも逃げも隠れもしません。
炎天下にガウンと手袋とマスクとフェイスシールドで汗だくで1日15kmも歩きながらの感染対応が続こうとも
大雨が突如降り、その上にさらにレインコートを着て、靴下までずぶ濡れになりながらの感染対応が続こうとも
水を飲むタイミングも、昼食をとるタイミングも、トイレに行くタイミングもなかなか見つけられない日が続こうとも
みんなの診療所での医療を必要としている人がいる限り、この身の限界まで診療を続けるつもりでいます。
ですが、年末は12月29日から1月3日まで最低6日はほとんどの医療機関が閉まる時が続きます。
私はこの5月から7月の変化をみて、このままの状況が続けばみんなの診療所への受診者の状況がどのような状況になるか想像もできない状況です。
ご利用いただく方にもこの状況をご理解いただきながら、診療所をご利用いただきたいと思っています。
また、奄美大島で医療に携わる方には是非年末までに、せめてみんなの診療所で受け止めきれない方々の受け皿についてご検討いただけたらと感じています。
そして、もしこのブログを読んで原の抱く危機感に共感して下さる方がおられたら、お住まいの自治体などへも対策の必要性について声を上げて頂けたらと思っています。
特にコロナ診療については国が旗振りをしているので行政案件だと思っています
みんなの診療所は明日もいつも通り6時半から診療開始です。全力で皆様のニーズにお応えしていきたいと思います。皆様の応援、サポート引き続きよろしくお願い申し上げます。
そして、この連休を一言の弱音も吐かずに一緒に乗り越えてくれたスタッフ、家族にここから感謝です。本当に頼りにしているし、尊敬できるメンバーたちです。明日からもよろしくお願いします。