みんなの診療所は開業前、1日40名~50名程度の受診を想定して開所しました。開所から徐々に地域の皆さまにご利用いただけるようになり、受診していただく方の人数は1年後くらいには目標に達することができました。
そればかりか、ありがたいことに想定よりもずっと多くの方に診療所をご利用いただくようになりました。特に2022年の新型コロナウイルス感染症の流行の際は1日100人以上の方に受診していただく日もあり、待ち時間が6時間となる日もありました。これは新型コロナの発生届の記載などと診療を並行して行なっていたためですが、あまりの長い待ち時間に大変心苦しい思い出診療していたことを思い出します。
2023年は新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行し、行動制限や療養期間なども緩和され、それ以前に近い診療状況に落ち着くと想定していました。ところが実際は昨年以上に多くの皆様に診療所をご利用いただいている状況となりました。
少しでも利用しやすい診療所、少しでも受診のハードルが下がる診療所となることを目標に診療してきた私としてはとても光栄な出来事です
これからも少しでも多くの方に、医療を身近に感じていただいて、気軽に足を運んでいただきたいと思っています。
しかし、何らかの工夫をしなければ受診していただく皆様全てを受け入れることができない。もしくはまた2022年の時のように長い待ち時間になってしまう。というような状況が出現したためそれを避けるためにできる改善やシステム導入を行いました。まず、2021年の段階で徐々に増えつつある予防接種予約をよりスムーズに行うために、予約システムの導入を行いました。
そして、今年は賛否両論あるかとは思いましたが、鳴り続ける電話に対する対策を取らなければ目の前の受診者に対しての対応が疎かになりかねない状況となりましたので、電話の自動応答システムを導入しました。また、院内の患者さんと発熱外来の患者さんの両者を同時にお会計作業ができるように、会計端末の増設を行いました。
もちろん、スタッフの増員も適時行なっていますが、それでは十分とは言えないほどに多くの方に診療所をご利用いただいている状況です。
そして、最近は季節性インフルエンザの流行開始もあり、11月17日以降は土日祝日も含めて平均約108名の受診者数が続いております。その診療ニーズに応えるため、もっともっと診療所として力をつけ、人を増やし、工夫を重ねていかなければならないと決意を新たにする次第です。

ですが、現在の原一人の体制ならびに今のスタッフ数の状況ではこの状況が今後も継続していくことを想定すると、疲弊してしまわないように何か対策が必要な状況であるとも同時に感じています。
とても光栄に思う気持ちと、それでも今の診療所の診療能力の限界に近づきつつあるという気持ち、この両者が常に入り混じっているというのが、最近の原の本心です。その辺りはまた、別の機会に文字に起こすことにして、今回はこのあたりで終了としたいと思います。次回は、原自身がもっとも驚いた、若手医師の教育の場としてのニーズの側面についてお伝えしたいと思います。