診療所をご利用の皆様にご理解とご協力をいただきながら5月29日にスタッフ全員集合のもと全体ミーティングを行いました。ミーティングで扱った内容やなぜ全員集合のもと対面でのミーティングとしたのかなど、皆様とも共有ができればと考え、ブログにさせていただくこととしました。
1)ミーティング開催の趣旨
2025~26年は今までも変化の多かったみんなの診療所の中で一段と激動の一年でした。休暇中の職員の職場復帰、小徳の合流、新しい仲間の参加、学生実習の受け入れ開始などに加えて、後述するような新たに動き出したプロジェクトが多かった1年でした。
一見すると、個人診療所が行うべき案件なのかと思われるようなものも含まれているため、なぜそれを行うのか、行なった先に原は何を見たいと思っているのかを共有できればと考えました。
A)目の前の事と、診療所のビジョンのつながりを再認識する
診療所のビジョンは『奄美をもっともっと元気に』です。これは奄美の人だけでなく、奄美そのものを含む概念です。ですので、私たちの使命は目の前の利用者を元気にするだけでなく、それを通して奄美そのものを元気にすることにあります。診療所に受診しなくても、診療所の存在そのものが地域の皆様の安心や誇りにつながることができればと考えています。例えば、建築関係者の見学の受け入れ、奄美群島包括的性教育プロジェクトへの協力、医学生や看護学生の実習の受け入れなどもその活動の一部です。そのほか後述するいつくかの診療所内のプロジェクトもこれにあたります。
B)スタッフ一人一人が奄美を元気にするための原動力であることを再認識する
原のビジョンはもしかすると、個人診療所としては不適切なほどのスケールなのかもしれません。私自身もそう感じる時もあります。しかし、言語化すること、それを言い続けること、そしてそれを自分以外の人たちにも広げていくこと。その先にこそ、実現困難と思われるようなビジョンを目の前に見ることができるのだと思っています。私が診療所のこの6年間、不安や葛藤の中にも、手応えややりがいを感じていることを、診療所のスタッフ一人一人にも感じてもらいたい。個人診療所のスタッフというだけでなく、スタッフ一人一人が、『自分の活動が奄美のより良い未来を作るために貢献している』という実感を持ってもらいたいという想いがあります。
それは特別なプロジェクトではなく、日々の診療の毎日続くいつもの風景にこそ存在していることも同時に伝わっていれば幸いです。例えば一流のスポーツ選手の目覚ましい活躍には、映像には映らないところの基礎トレーニング、準備運動、食事管理、十分な睡眠などが欠かせません。その派手さのない淡々とした日常の継続の中にこそ、成果を残す原動力があります。何か新しいプロジェクトが立ち上がれば、それにエネルギーを注げるスタッフがいるその裏で通常診療を支えてくれているスタッフがいるということと表裏一体であるということです。
これらのことを全て含めて、スタッフには
『診療所が、スタッフ一人一人の自己実現の場所でありたい』という言葉で表現させていただきました。そのことにより、結果として診療所を利用してくださる皆様にもより良い医療が提供できると考えているからです。
C)診療所が地域へプラスの影響を生み出せるか
奄美全体を元気にするという観点において、通常の診療のみを行なっていてはその実現は困難であると感じます。その先にアプローチすることでこそ、それは実現できると考えます。しかし、それ自体は診療所としては利益を産みません。ここが診療所の継続性という観点でも、診療所の通常診療以外のプロジェクトのあり方を考える上でもとても重要なポイントだと考えています。
例えば、奄美群島包括的性教育プロジェクトにつて考えてみると、大島教育事務所、各市町村の教育委員会、各小中学校、そして周産期医療に関わる医療従事者が組織の垣根を超えて一つの目標に向かって動くプロジェクトになっています。これにより生まれる横のつながり、性教育を通して奄美の若者に伝わる自分を大切にする心、well-beingの考え方は診療報酬では決して測ることのできない価値があると私は考えています。そのため、小徳のみでなく、当院からはスタッフ2名にこのプロジェクトに参加してもらっています。スタッフには参加する中で、実際に性教育の講義を行う瞬間以外のこのプロジェクトの意味を感じてもらえて原の意図するところをより深く理解、共感してくれたら嬉しいと思っています。
目の前の利用者の診療に全力を注ぎつつ、これらの活動に協力することが、奄美の学校教育の現場の連携強化、小中学生の心身の幸福度の向上に診療所も貢献しているのだとスタッフ全員が感じてくれたら嬉しいと考えています。そして、それが診療所の目指す未来であり、あるべき姿であると原が感じていることもスタッフにより浸透していくと嬉しいです。

2)ミーティングでの検討内容
今回1時間のミーティングで検討した内容は以下のとおりです。全ての検討内容について、事前に資料提出を依頼し、当日までに質問事項の募集やそれについての回答を経て、必要なものはアンケートなどを実施し、ミーティング当日までには議題について概ねの方向性が見えている状況を作り出すことができました。2時間診療を止めて行うミーティングでしたので、このミーティングの後も、明日からの診療に変化が出ないのであれば、ただの時間の無駄になってしまいます。スタッフがミーティングに参加してくれたこのエネルギーと時間を無駄にしないために、ミーティングの効果を最大化できるように極力気をつけたつもりです。扱った内容は非常に多岐に渡ります。
*診療所内スタッフ向け英会話教室について
*事業所外人材によるサポートのあり方について
*企業健診の受け入れのあり方について
*予防接種事業の現状と今後について
*院内感染対策のあり方について
*感染対策に関連した診療報酬体制について、感染症対策標準化に伴うアウトカム発信について
*2026年度診療報酬改定について
*みんなの保健室の今後について
*婦人科診察の本格化に向けて
*デイサービス型産後ケア開始に向けて
*診療所のネットワーク環境のセキュリティー強化及びオンライン診療導入検討について
*雨天時をはじめとした発熱外来のあり方について
これら全てにおいて、現在の状況、今後の方向性、それを確定するために決めなければならないこと、今回決まらなかったことについての検討担当者、報告先、報告期限を示すところまでをおこないました。
スタッフの皆様には大いにご協力いただき、大変だったと思いますが、この貴重な皆様の時間を無駄にすることなく、最大限の成果をもたらすことができたと思います。全スタッフに感謝いたします。
また、産後ケアやみんなの保健室、婦人科診察が診療所のこれからのあり方として定着することが、先述のスタッフやりがいや自己実現につながり、それが地域の皆様の役に立ち、奄美が元気になっていくことに繋がっていく未来について伝えたつもりです。それが最終的には診療所そのものの発展、成長に繋がっていくものと信じています。
また、診療所開所以後力を入れ続けてきた、予防接種と健診についても、現状に満足することなくより診療所の強みとして成長してけるようにしたいという思いも共有しました。
事務スタッフも層が厚くなった分、役割分担や、スタッフ教育を意識してければと考えています。
3)小徳やスタッフが包括的性教育プロジェクトについてNHK鹿児島の取材を受けました
ちょうどミーティングの日の前後で、当診療所の小徳やスタッフが包括的性教育プロジェクトについて取材を受けました。近日中に放送される予定で、放送日時が決定しだい改めてブログやSNSでご案内いたします。
こうして、診療所や診療所スタッフがメディアで取り上げられることも、奄美地域にスポットライトが当たるという意味で非常に意義深いと考えておりまます。
取材にお越しいただいたNHKスタッフの皆様誠にありがとうございました。






