7月に入り再び、新型コロナ新規感染症例が増加傾向です。本当はもっと前からお知らせしたかったのですが、原がなかなか文章にするエネルギーがなかったので遅くなりましたが、またしばらく検査件数が増加する日々が続きそうなので、ようやく診療所の検査方針を文章にしました。受診をご検討いただいている方は一度目を通して頂けましたら幸いです。
1)取り扱っている新型コロナウイルス検査について
抗原定性検査のみを行っています。PCR検査は行っておりません
土日祝日も診療しているため、検査の依頼先が営業時間外の場合も多く、安定した検査が行えないためPCR検査は行っておりません。
2)抗原定性検査の特徴について
*陽性の場合 ほぼ正しく陽性であると考えられています。そのため、抗原定性検査陽性の場合はその結果で保健所への届出を行っています。
*陰性の場合 約2~3割は誤って陰性となる(偽陰性)場合があります。そのため
発熱が落ち着いた後も、咳や鼻汁、痰、頭痛、咽頭痛、下痢、嘔気などの症状が残っている場合は出勤や通学は控えて自宅で安静するようにおすすめしています
3)無症状者への検査について
無症状者への抗原定性検査では5割程度、誤って陰性となる(偽陰性)と言われており無症状者への抗原定性検査は推奨されておりません。そのため、診療所では
無症状者への抗原定性検査は行っておりません
4)検査のタイミングについて
*2)、3)でご説明したように無症状者では約5割、十分よい条件で検査した場合も約2~3割は誤って陰性(偽陰性)となる可能性がある検査です。そのため、少しでも良い条件で検査を行い誤って陰性となる可能性を下げるため診療所では
発症24時間以降の抗原定性検査をおすすめしています
発症初期に検査陰性だった場合は誤って陰性と判定している可能性が高まりますので、後日再検査が必要となる場合が多く見られます。成人であれば自己の判断で複数回検査する選択肢も考慮されますが、国全体の医療費を出来るだけ抑えるという意味では、やはり1回の検査で済ませることが大切だと考えています。また、検査は鼻に綿棒を入れて検査をするため苦痛を伴います。そのため、特に
小児の方への検査については複数回の検査を回避し患者さんへの苦痛を最小限にするという意味でも発症24時間以降の検査を強くお勧めしています。
5)新型コロナウイルス検査は急ぐ検査ではありません
現在流行しているオミクロン株は、多くの患者さんが特殊な内服薬や注射薬の使用をせずに症状に対するお薬のみ(風邪症状に対する)で治療が可能な場合が多く、1日遅れて診断することによる悪影響はあまりないと考えています。そのため、発症間も無く検査を受ける必要性は高くなく、十分検査の結果が信頼できる時期の検査をお勧めします。また同様の理由で発症初期は検査陰性でもその信頼性は低いため同居のご家族が『濃厚接触者ではない』ことの証明にはなりませんので、『濃厚接触者ではない』ことを示すために早期の陰性を確認することも検査の信頼性の面からはお勧めできません。
2022年7月4日 みんなの診療所 所長 原 純