みんなの診療所をご利用の皆様にご案内です。2021年11月1日よりみんなの診療所では予防接種予約システムを導入することとなりました。詳細はみんなの診療所website予防接種のページをご覧ください。下記のリンクからご覧いただけます。
予防接種予約システムへの登録の方法、2022年3月31日でLINEでの予防接種予約が完全に終了すること、みんなの診療所LINEアカウントは今後も情報発信のために継続することなどが主に書かれています。この一連のシステム導入は当診療所の看護師が中心になり取り組んでくれました。システム導入のご案内にあたり、ブログでは所長原の立場から見たシステム導入に至るまでを少しお話できたらと思います。
1)予防接種予約増加に伴い、現行オペレーション変更の必要性を認識
医療へのアクセスともっと快適にする事。それがみんなの診療所の根幹にある大切なコンセプトです。そのために早朝、夜間診療、土日祝日診療、院内処方を行っています。診療所の開所にあたり、予防接種予約については、看護師たちが母として自分の子供達の予防接種の予約の時に、『電話予約が大変』『枠が少ない』などの経験があることからLINEを使っての予約が生まれ、土日祝日や夕方以降の時間でも予防接種を行うことを可能とする選択をしました。開所から1年以上が経ち、予防接種にいらっしゃる方も増える中でゼロから作り上げた予防接種の予約から実施の一連の流れに私たちスタッフもようやく慣れてきたところでした。せっかく慣れてきた現行のオペレーションを変更したいと提案をしてきたのは看護師たちでした。私は、その時が来たかと思う反面、せっかく慣れてきた現行の方法を変更するという提案した看護師たちの思いに驚きも覚えました。これからインフルエンザワクチン接種が始まる。ようやくコロナワクチンの個別接種も始まる。感染症のシーズンが近づいてくる。というその入り口の時期に新たなことにチャレンジしようとすることは大きなエネルギーを必要とするからです。しかし、その必要性に気づきながら見て見ぬふりはできないと感じ行動に移した看護師達の行動力は素晴らしいと感じました。
2)LINEの向こう側の人も、待合室の人も待たせたくない
看護師から提案を受けた時、私はなぜシステム導入が必要だと思ったのか?と問いました。するとこのような答えが返ってきました。
*夜診療所を離れてから朝出勤までの間にLINEに予防接種予約の依頼が入ってきている。返信は一晩以上お待たせすることになる上、返信するときはお仕事や家事育児の真っ最中の時間になってしまい申し訳ない。診療所の診療時間以外の時間でも予防接種予約ができるようにしたらLINEをご利用の皆様をお待たせすることなく予防接種の予約ができる。
*LINEでの予防接種予約の数が増えてくるとともに、診療所に受診いただく方の数も増えてきました。その中でLINEの対応数が増えることで、診療所に受診にきてくださっている方への元へ向かう時間が短くなっていると感じる。
ワクチン予約システムを導入することは、LINEでの予約で対応をお待たせしまっている方も、診療所の待合室でお待ちの方にも早く対応することができるという点でまさに診療所が抱えている新たな課題を解決してくれる有効な一手であるというのです。私は即答でOKを出しました。もちろん、予約システムの導入にはコストがかかりますが、看護師たちの利用者の立場に立った提案に、私がNOという理由はありませんでした。
このコロナの世の中ですが、私たち診療所スタッフは医療が本来持っている暖かさを伝えたいという思いのもとに集まっています。人にもシステムにも建築にもその想いが流れています。少しでも早く、少しでも長く受診にいらした方に対応したい。少しでも早く隙間時間で診療所からの返信を待たずに予約を完了させられるようにし、ご自身の時間を有効に使って欲しい。そんなスタッフの思いがこの予防接種予約システムの導入へと舵を切ることに繋がりました。
診療所での予防接種の予約状況確認や当日の接種一覧や接種状況の把握など、現行の流れを大きく変えることなく、新しいシステム導入を行うこと。スタッフ同様にLINEでの予約に慣れていただいた診療所をご利用の方々に新システムについてのご理解をいただけるように案内をすること。LINEと予約システム両方を併用する期間があるため、その間は2つの予約方法が混在すること。などそれぞれの課題に向き合いつつ、スタッフはシステム導入に向けて日々、あーでもない、こーでもないと話し合いながら一つずつ壁を超えてきました。その姿勢に私はただただ感心するのみでした。
3)予防接種はみんなの診療所の大事な核、そして看護師が活躍し光る舞台
大病になる前に医療との接点を持って欲しい。少しでも長く元気で生活してほしい。そして奄美全体を元気にしたい。そんな思いから
奄美をもっともっと元気に
をキャッチフレーズにしているみんなの診療所にとって、未然に発症や重症化を防ぐ予防接種は診療所の大切な『核』であると同時に、開所当初から看護師が中心にシステムを作り上げ、運用してきた、看護師が活躍し光る舞台です。みんなの診療所では職種を問わず職員一人一人が診療所の顔であると自覚を持って日々の診療にあたっておりますが、その中でも何か責任を持って取り組める事があることで、仕事のやりがいを感じてもらえるのではないかと私は考えています。看護師にとっては予防接種こそが診療所での大きなやりがいの一つになってくれればと思っています。そして、今回の新システム導入はその自覚を持っていたからこそ提案し、実際に導入にまで至ることができたのだと思います。そんなエネルギーのある、成長する意欲のある、現状に満足しない、ご利用の方の更なる満足を追求するスタッフの姿勢を見て本当に誇らしく思いました。このようなスタッフとともに仕事ができていること幸せに思います。
今回は看護師にスポットライトを当てましたが、当院の事務スタッフ、ドクタークラークも皆一人一人が少しでもご利用の方に良い診療を、良い通院経験をお届けしたいと思い日々の診療に取り組んでいます。私はことあるごとに『医療には血が通っている』と話しています。しかし、それを自分以外の人も巻き込んで実践するのはそれほど簡単な事ではないと思っています。でも、このみんなの診療所のスタッフとなら血の通った医療が実現できるのではないかと感じさせてくれる、本当に頼しいスタッフばかりです。
もちろん、これから始める新システムですので予期せぬ出来事で皆様にご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、それも一つ一つ丁寧に対応し解決していくつもりです。新システム導入ですので皆様には多少のご不便をおかけする場面もあるかもしれませんが、どうか少し時間のゆとりを持ちつつ見守っていただけたら幸いです。