奄美大島にお住まいの皆様
年明けからの急激な新型コロナウイルスの感染拡大のため
みんなの診療所でも今まで行っていなかった新型コロナウイルスの検査を開始することにしました。
この8、9、10日が連休であることも重なり、土日祝日診療を行っているみんなの診療所には連日多くの発熱の方、風邪症状や腸炎症状の方が来院されております。
そのような発熱、風邪症状、腸炎症状などの方の診療を車内で行っていることもあり、一人一人の診察に時間がかかり、皆様を大変長くお待たせしてしまっています。一番長い方は3時間半の待ち時間となってしまう方もおられます。また診療終了時刻を考慮し、感染症を疑う方の受付を早い段階で終了とさせていただく対応をせざるを得ない状況となる日も続いています。
怪我などでご来院の方などもそれに伴い長くお待たせしてしまっています。
定期受診の方については、電話再診にて対応させていただくケースが増えています。
診療所をご利用のすべての皆様に大変なご不便をおかけする状況となっており、大変心苦しく思います。心よりお詫び申し上げます。
そして、そのような状況でも不満を口にせずに狭い車内で体調がすぐれない中、診察をお待ち頂いている方々、一度来院して頂いたのに夕方の電話再診への変更に応じて頂いた方々、人がいない待合室なのにいつまでたっても名前を呼ばれない状況を受け入れてくださる方々に心よりお礼を申し上げます。
今までは、みんなの診療所では問診診察上、新型コロナウイルス感染を強く疑う方については検査を行っている医療機関へご紹介とさせて頂いていました。また、その方針については常に県立大島病院(以下、県病院)とのコミュニケーションの上で決定していました。県病院が県病院でしかできない医療を維持しながら、同時に新型コロナウイルス対応が可能な状況であれば、みんなの診療所はそれ以外の、『いつもの医療』を皆様にお届けすることがその使命であると考えていたからです。
ですが、年末年始診療を行っていたからこそ感じることが出来たのかもしれませんが、この正月休みの間に診察した方のうち、新型コロナウイルスに感染するリスクの高い行動や接触がない人から正月明けの4日、5日に他院で検査を受け陽性となるケースが続きました。これはみんなの診療所開院後感じたことのない違和感でした。6日は木曜日で休診でしたので、7日以降の診察体制をゆっくり考えることができました。他の地域ですでに感染者が増えてきている状況と同じ状況だと感じた私は週末の3連休の間に受診希望の方が受診できない状況を出来るだけ避けたいと思い、7日から当院でも検査を行う方針として準備、職員や家族への理解を求めました。そして、7日の朝から通常の診療と並行して、新型コロナウイルスを疑う症状のある方の検査を開始しました。
その後はfacebookやInstagram、LINEで皆様に情報を共有した通りの状況となり、地域の皆様にご協力とご理解を得ながらこの数日を過ごしてきました。みんなの診療所は、奄美大島の医療の歯車の一部として奄美全体の医療がどうしたら一番良い状態になるか?そのためにみんなの診療所はどのような役割を担うべきなのか?ということを日々試行錯誤しながら臨機応変に対応しているつもりです。今回の決断もその一つの表れだと考えています。
ここ数日の急激な変化にもかかわらず、ご利用いただいている方の温かいご理解ご協力によりなんとか診療を行ってこれている状況です。重ね重ね御礼申し上げます。
地域の皆様に少しでもお役に立てたら幸いです。
また、おそらく今はどの医療機関も同様の状況が続いていると思われます。奄美大島内の全医療機関の方々の献身的な診療に心より感謝いたします。そのおかげで、小さな小さな診療所であるみんなの診療所の診療もなんとか切り盛りできています。
まず、今回は、新型コロナウイルス診療が開始して数日の状況と、そこに至るまでの簡単なプロセスについて簡単にご紹介しました。
これは
みんなの診療所から見える景色がどんなものなのか?
今、原は何を考えているのか?
ということをお伝えすることにより、今、何が起こっているか見えにくい、奄美大島の医療を取り巻く状況を診療所の目線から少しでも地域の皆様に感じていただくことを最大の目的としています。
次回は、今、発熱患者さんなどを診察するにあたり原が気をつけていることを中心に続きを書きたいと思います。